その日、女はある決意をした。
道化という名の仮面をかぶり続けることを。
誰も寄せ付けないような呪いを自らに掛けることを。
そしていつか、身に着けた仮面を取り外し、真の力を振るうことを。
発端は、牧原西穂が生み出した"ちょい堅"異世界ファンタジー『ヒルデガルダのケーキ』だった。 舞台は架空のヨーロッパ風の異世界。北の王国スラヴェニアの若き女王ヒルデガルダは、周囲から愚鈍と思われていた。が、それは複雑な政治情勢の中、命を守るためにあえて愚か者の仮面を被っていたのだった。時がくるのをじっと待ち、力を蓄える若き女王。そしてスラヴェニアに次々と危機が訪れる。
あるときは商人の娘を装って街に出かけ、またあるときは王宮の給士を装って大臣に食事を運ぶ。ときに男装で他国に留学に行き、また、太古の精霊の衣装を身にまとって酒場に現れる、その名は、女王ヒルデガルダ。縦横無尽の動きから目が離せない。
そして、グリューワインに、煮込みフリカデレ、シュニッツェル。次々と登場する料理も見どころ。
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「その年、北の国はなにかに見離れたかのように天候に恵まれなかった」。ヒルデガルダシリーズの原点。飢饉に見舞われた王国の若き女王ヒルデガルダ。飢えた民が今にも蜂起しようとする中、ヒルデガルダが民衆に振る舞ったとっておきの"ケーキ"の正体とは。小説を読むのはここから(約5,500文字、目安読了時間10分強)
場末の宿屋兼酒場を営むジョルジオ。最近処刑が増えたと世の中の動きを陰鬱な気持ちで見つめつつも、日々の暮らしに追われていた。そんな中、一人の若い女性が宿に宿泊する。正体不明の女で、とにかくよく食べる。彼女は名前をヒルダと言った。小説を読むのはここから(約5,200文字、目安読了時間10分)
10年前の敗戦により、スラヴェニアはラインハルト帝国の事実上の占領下におかれていた。ラインハルト帝国の征服帝ランカスターは海洋進出を目指し、スラヴェニアの併合を画策。ラインハルト帝国皇太子とヒルデガルダの婚約を持ち出す。スラヴェニア国内の親帝国派と反帝国派の対立が続く中、ヒルデガルダは4倍以上の軍勢を誇るラインハルト帝国にいかに立ち向かうか。小説を読むのはここから(約48,200文字、目安読了時間1時間10分)
「それは色褪せることのない、大切な思い出」。まだ少女の頃に即位して以来、多くの課題が彼女を待っていた。<執筆者:木村縦雄>く小説を読むのはここから(約800文字、目安読了時間1分)
ヒルデガルダが現代日本の高校に転生? 文化祭中止の危機に部活の"女王"が立ち向かう。<執筆者:五三一〇>小説を読むのはここから(約6,500文字、目安読了時間11分)
ある日、少年アルノルトは王城に勤める父に差し入れを持って行く。父はヒルデガルダの側近だった。王城の門で、アルノルトは自分と同年齢の女性に出会う……。<執筆者:遠太>小説を読むのはここから(約13,500文字、目安読了時間12分)
ヒルデガルダのことを生徒に教える教師。生徒は熱心だが、先生には気がかりなことがあった。<執筆者:菅江真弓>小説を読むのはここから(約850文字、目安読了時間1分)
関空からスラヴェニアへ。西洋史でヒルデガルダを調べる大学生の物語。ヒルデガルダが持っていたという謎の箱の正体とは?<執筆者:n.n.>小説を読むのはここから(約18,300文字、目安読了時間25分)
外国からやってきた転校生はヒルダと名乗った。4コマ漫画。<執筆者:n.n.>漫画を読むのはここから(4コマ漫画5本、目安読了時間2分)
衛兵のエルモは、西の国からやってきたという変人リヨンの元を訪れる。リヨンは人間が空を飛べるようになるという絵空事を言っていた。<執筆者:鳥居未由>小説を読むのはここから(約27,200文字、目安読了時間55分)
「おまじないあります」。謎の東洋人が営むお茶屋にはそう記された看板がある。売っているのは本当に普通のお茶なのか? 真相を探るためにヒルダが一般人を装って調査に入る。<執筆者:あははの辻>小説を読むのはここから(約5,500字、目安読了時間10分)
戦場を駆け巡る若き騎士、スラヴェニアの第三王子ヒルデブランド。南のエジンバラとの戦いの中、多くの人物が入り乱れる軍事小説。圧倒のボリューム。<執筆者:斉藤武人>小説を読むのはここから(約63,900文字、目安読了時間1時間40分)
そのお菓子の由来となった女王は、かつて大飢饉を機知に富んだ策で乗り切った。その功績を称え、当時のレシピを記した石碑が建つ。<執筆者:長月琴羽>お菓子の紹介はここから(画像ファイル、目安読了時間2分)
ヒルデガルダの世界観を分かりやすく動画で紹介。ツイッターの動画に飛びます。BGMありなので、音量にはご注意を。PV1(約50秒)、PV2(約40秒)、PV3(約50秒)
ヒルデガルダの物語はまだまだ続く……
その世界観・ヒロインのキャラクターが共感を呼び、総勢10名による小説・イラストの二次創作が行われた。即ち、ヒルデガルダの『憂鬱。』『箱』『レシピ』『城』『恋』『側近』『学園生活』『剣』『部活』『午後のひと時』。異世界を飛び出し、現代にまで広がった世界観を紹介する。NEW!! こちらから見れます(JPEG画像ファイル。1506×2894、923KB) ※重要なネタバレはありませんが、気になる方はスルーしてください。
原作『ケーキ』『予約』に、二次創作作品、そして原作者の新作『婚約』を含めて一冊の本『女王ヒルデガルダ』が2014年の大阪文学フリマで登場した。あれから3年・・・。広がった世界観を元に、さらに新たな創作が始まる。2017年11月東京文学フリマに向けて『ヒルデガルダⅡ(仮称)』始動。